日立くらしき2

 個人的な印象ですが、年々企業の在り方が変わってきて「社員旅行」「慰安旅行」を行っている企業・部署は少ないように思います。

私自身が「派遣社員」という雇用形態で働くようになり、会社行事と無縁になったので余計にそう感じるのかもしれません。

新卒で入社した会社は創立して10年の会社でしたが、老舗企業の関連会社だったので昔ながらの風習や恒例行事も多く、管理本部系の「総務・経理」という部署柄もあって部課長と接する機会も割と頻繁でした。

先日その頃の同期生と話す機会があり一緒に行った社員旅行のことを思い出しました。

会社との関わりを苦手と思っている方に読んでいただきたいエピソードです。

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 「社員旅行」どころか部内の飲み会も好きではありませんでした

 ある年、忘年会か何かの宴会中に「みんなで慰安旅行に行ってみよう」という話が浮上しました。

私は宴の勢いで一時的に盛り上がっているだけだろうと聞き流していたのですが、後日若手の男性社員が部長から依頼を受け、旅行の手配を始めました。

旅行は架空の話ではなくなり部内旅費積立が始まったのです。

「休みの日に会社の人に会う意味がわからない」

そう思っていましたが、同期も仲良しの先輩も参加するようだったので私も参加を決めました。

 


 「接待」も貴重な経験のひとつ?バスを貸し切り倉敷の名所へ

 参加者は部課長・主任含め16名、集合場所は会社ビルの裏手にある搬入口前でした。

休日に通勤路をたどり、私服で会社の人と待ち合わせることになるなんて想像もしていませんでした。

行先は 岡山山陽方面  関西からは新幹線でもマイカーでも行ける程よい距離ということで社員旅行先に合っていたと思います。

「移動中の交流」も旅の目的のひとつだからでしょうか、中型バスをチャーターしてのバス旅行でした。

私は当時秘書の役割もしていたので、本部長の隣に座らされました(男性社員達はどうやら本部長とお話しするのが苦手だったようです)。

本部長と直属上長に挟まれ、”おつまみとビールで他愛のない話をしながら楽しんでいるおじさま方”に囲まれての移動は、不思議な感覚でしたが思いのほか苦痛ではなく、むしろ盛り上げ役になっている若手男性陣の方が大変そうでした。

その部署にとってこれが初めての社員旅行だったようで部課長達はとても楽しそうにしていました。

 初日の主な目的地は倉敷・美観地区でした。エリア内で昼食を取った後大原美術館を拝観したり、郷土玩具館・民芸館などを巡りました。

団体で名所を回るなんて修学旅行ぶりでしたが、大人になってからの方が文化に触れることの楽しさが分かるようになっていたので、その時間を満喫することが出来ました。

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 瀬戸大橋が見えるホテルで温泉とグルメ!翌日は日本三大名園を訪れました

 宿は瀬戸大橋と鷲羽山が目の前に広がるホテル『鷲羽グランドホテル(現:鷲羽グランドホテル備前屋甲子)でした。

「部屋からの絶景」「宴会場で食事&カラオケ」「大浴場&露天風呂」等、地方に行ってもそういう行動は取らないのでとても新鮮で面白かったです。

「”普通に旅行に行く人”は旅先でこういう楽しみ方をするんだなぁ」と思いました。

普段遠征では駅前のビジネスホテルに泊まることが多く、友達と行く個人旅行でも大型ホテルを選ぶことはあまりないので、団体旅行で利用するような「車が無いと行けない大収容の大型ホテル」に泊まったことは貴重な体験でした。

私もカラオケを唄わされることになったので、幅広い世代が知っている歌謡曲を選択して唄いました。

同期の友達は誰かの歌に合わせて部長とジルバを踊らされていました(笑)。

 翌朝チェックアウト後は下津井港で遊覧船に乗船し、瀬戸大橋周辺の海を眺めたり橋を下から見上げる形で眺めたりして瀬戸内海の眺望を楽しみました。

岡山内陸に戻ってくる途中、サービスエリアで買い物や昼食を済ませ岡山後楽園に向かいました。

日立くらしき

 この時初めて日本に”三大名園”というものがあることを知りました。(あとのふたつは「石川(金沢)の兼六園」と「茨城(水戸)の偕楽園」です。)

綺麗に整備された緑と眺めの良い景観に癒され、これをきっかけに各地の庭園や公園を見てまわるのが好きになりました。

 人が集まるグループに所属していなければ参加出来ない会社行事は1人の努力では成しえないことなので、今となっては貴重な想い出・人生経験のひとつになりました。


 【社員旅行に合う条件とは?】
 「移動時間も全体で交流がはかれること」「程よく自由な時間を持てること」の観点から車移動が苦にならない距離であること
 観光名所のそれぞれの場所がさほど離れたいないこと(移動時間が長すぎると退屈になります)
 名所の好みが年齢性別に寄って偏らないところ
 近郊に大型収容で、施設内に娯楽が楽しめるホテルがあること
 景観の良いポイントがどこかにあること(ホテルならなお良し)

 その会社を退社して以降日本全体の景気も下がり、世の中が「人と深く関わらない」傾向が強くなったので、今では「社員旅行」「慰安旅行」という風習自体もなくなってきたように思います。

当時会社の人との宴会など極力行きたくありませんでしたし、旅行が決まった時には憂鬱でしかありませんでしたが、アルバムを見返したら「行って良かったな」と思えました。

何事も経験しておくものだなぁと思いました。

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